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2019.11.18
アート・イベント
地域への想いの一滴、浜松ローカルコーヒーフェス2019
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HAMAMATSU PPP Design 左:鈴木裕矢さん、中:松島弘幸さん、右:藤田超さん

 

浜松市内を中心としたコーヒーショップが集まり、それぞれの個性的なコーヒーを味わいながら会場である浜松城公園でゆっくりと過ごすことができる“Hamamatsu Local Coffee Fes 2019”。昨年の第一回開催では約7,000人が来場し主催者側も驚くほどの盛況ぶりだった。予想外の集客にコーヒーチケットを使い切れないなどの問題も発生したが、昨年の反省を活かしパワーアップした同イベントについて主催者の3名にその想いを聞いた。

 

 

約7,000人が来場した2018年開催の様子  Photo by  遠藤正樹

 

 

ーーーそもそも“Hamamatsu Local Coffee Fes 2019”を始めたのは、なぜですか?

 

鈴木:主催元でもある“HAMAMATSU PPP Design”という団体があるんですが、【PPP】というのが「パブリック・プライベート・パートナーシップ」の略で、「公民連携」の事業のことです。簡単に言えば、公共空間を税金に依存せず、市民の本当に喜ぶものをつくる新しいチャレンジをしていくことを目的としています。色々な取り組みをこれまでもしてきましたが“Hamamatsu Local Coffee Fes”もその中で生まれたイベントの一つです。

 

ーーー鈴木さん自身は広告などのデザイン制作会社を運営しているわけですが、その中で“HAMAMATSU PPP Design”という別の事業を立ち上げたのはなぜですか?

 

鈴木:近年では【PPP】という考え方で全国でも似たような取り組みもあって成功事例も出てきているんですが、これまでは行政側から指定管理料を民間の事業者に支払って公共空間を運営してきたという現実があります。しかし、地方が直面する少子高齢化の時代に税収で公共空間を維持していくのは今後ますます難しくなると思っています。公園などの市民の憩いの場が無くなっていくかもしれないという危機感を常に感じていて、自分たちの浜松市が味気ない空間ばかりになってしまわないように、自分たちで行動をおこそうという想いから始めました。

 

ーーー少子高齢化の問題は人手不足や景気など経済的な影響だけでなく、自分たちが住む街自体にも大きな課題なんですね

 

鈴木:そうですね。その辺りの問題意識をうちの松島あたりは早くから持っていて日常的にこの浜松城公園で“タタズミcoffee”として店を出しながら、公民連携プロフェッショナルスクール研究員として活動もしています。

 

ーーー公民連携というのは素晴らしい取り組みの一方、その分、苦労もありそうですね

 

松島:やはり、僕たちも大きい目標を掲げているものの集まった人間が個人で事業をやりながらなので予算や規模などスケールが大きくなりづらいですね。公共空間への取り組みとなるとやはり行政や地元の大きい企業さんたちの話になってしまい、そこに携わることが大きい第一関門になってしまっています。今回の“Hamamatsu Local Coffee Fes 2019”というイベントも試行錯誤の上で辿り着いた第一歩という感じです。大きな団体に関わることなく自分たちの実現したいことや自分たちの色を出せることとしてイベントという手段を選んでいます。

 

ーーー個人的な視点ですが、それなら民間事業者として自分たちでやってしまえばいいんじゃないか?とも思うのですが

 

松島:その姿勢も間違いではないですよね。ただ、全員が自分の事業だけに目を向けて営業利益をあげることに向かうのは違うんじゃないかなと…今いる浜松城公園のようなこんなスペースを一事業者として持つことは、とても難しいですし、こんないい場所を使わない手はないじゃないですか。それを維持し有効活用していくことが大事だと思うんですよね。街づくりは都市経営だと言われています。僕は自分の事業で一億円の税収をあげることは難しいですが、一億円の無駄な税金の使い方をやめさせることは浜松市民全員ができることだと思うんです。

あとは、僕自身は将来の子供たちのために良い環境づくりをしたいというのが根本でそれしか興味ないんですよ。お金もイベントも手段のひとつで一歩一歩できることを実現していくしかないかなと思ってやってます。でも、公共のこと考えるの楽しいんですよ。いつもここ(浜松城公園)でコーヒー売ってるのもそんな理由からですね。

 

鈴木:「浜松ってなんにも無い」っていう人よくいるんですけど、それは違うと思ってて…面白い人や魅力的な店っていくらでもあるんですよ。そんな人たちをイベントで紹介することで、その後、実際のコーヒーショップにも足を運んでくれる人がいて、そうして皆んなの居場所が増えたりしていけば街への愛着も生まれ、浜松市がより良くなっていくんじゃないかと思うんですよね。

 

 

白熱した運営会議の様子

 

 

ーーーなるほど、そんな想いがある中で開催された昨年の第一回“Hamamatsu Local Coffee Fes”どんな手応えを感じました?

 

鈴木:大盛況でした!大盛況過ぎて迷惑かけたんですけどね….(笑)

ま〜7,000名ですから、予想を大幅に上回る来場者でした。我々、運営側も出店者側もそこまでの準備をしてなかったので、お客様にコーヒーを提供するまでに時間がかかってしまって、販売したチケットを使いきれない方も出てしまって大変申し訳ない気持ちです。

 

ーーー難しいですよ。5,000名の入場を予想して1,000名の可能性もあるわけですから。その辺りは今年は対策されてるんですか?

 

鈴木:はい、もちろんです。私達というよりも出店者側でも1時間に100杯コーヒーを提供できる方法など情報共有してもらって対策を練っています。そういった声かけがされているのを見ても、いい出店者に恵まれているなと感じてるんですけどね。そういった市井の方たちが自らの試行錯誤でイベントを盛り上げてコーヒー文化を根付かせるという取り組みも街づくりには欠かせないものじゃないかなと。

 

個性あふれる出店者・コンテンツが揃った2018年開催の模様  Photo by  遠藤正樹

 

 

ーーーなかなかイベントって集客に悩むことも多いと思うんですけど、一回目でそれだけ来場者がきてくれた要因って何だと思います?

 

鈴木:う〜ん……あれは…ラッキーでしょうね(笑)

松島:(笑)

 

ーーー(笑)いやいや、記事にならないじゃないですか!絶対もっとなんかあるでしょ!

 

鈴木:(笑)ま〜感度が高い人たちに刺さった感じはあるかな。フライヤーのデザインを見て「なんか気持ち良さそうなイベントだと思って」とかは言ってもらえましたけどね。やっぱり自分たちでゼロから作り上げてるので、よくあるマルシェや屋台が並ぶイベントにしたくなくて、ちょっとした装飾とか自分たちがやりたいようにやった結果、受け入れてもらえた感じですかね。

集客は、もちろん多いほうがいいんですけど…それよりも来た人がコーヒー飲みながら気持ち良く過ごしてほしいっていうのが大前提にありますね。

 

ーーー実際に来場者の声ってどんな感じですか?

 

鈴木:僕が印象に残っているのは、「あなたはこっちが良いって言ったけど、私はこっちの味が好き」とかコーヒーを単純に楽しんでくれてる感じとか、知り合いに沢山あってプチ同窓会が始まったみたいな声もありましたね。あとは「あんたたち、これだけお客さん来たら儲かったでしょ!」(笑)みたいなこと言われたりとかして、その方に僕が「実は出店料も高くとってないし、テントなんかの装飾にもお金かかってて身入りはほとんどないんですよ」って言ったら「じゃあこの一杯が、あんたたちへの寄付だね」って言ってもらえたのは嬉しかったですね。想いが届いた人がいるんだと…

 

 

ーーー去年やらなかったけど今年やる試みってあるんですか?

 

鈴木:それはコンテンツとしてですか?行列対策としてですか?(笑)

 

ーーー(笑)もちろん両方!

 

鈴木:(笑)まず、行列対策は個々のお店が回転を早くする準備をしてくれてます!それでも、各お店もこだわって丁寧にコーヒーを作ってくれるのである程度の時間はかかってしまうんです。なので、そのチケットは後日それぞれのお店に来店した際にも使えるようにしました。あとコーヒーワークショップも増えたね。

 

松島:はい、前は飲んで終わりだったんですけど、エアロプレスとかドリップを体験できるブースも人も増やしました。去年は僕一人でやろうとして全然回らなかったんで…

 

鈴木:あとは、去年は公園の半分しかスペースが使えなかったんですけど今年は全面使えるので、もう少しゆったりと過ごしてもらえるかなと…

 

ーーー他にはどうですか?

 

鈴木:会場の装飾かな〜。PPPの強いところは大工さんチームが強いんですよ。大工が面白がってやってくれるのでいつも個性的な会場が展開されるんですけど….天才建築デザイナーが、当日もライブでおもしろいものを作るらしいので、楽しみにして欲しいです。

 

松島:僕としては、その建築チームがこちらの要望に合わせて装飾を作ってもらうよりも、その人達も自分が楽しんでくれた方が良いものができると思っていて、ある程度のイメージはありますが、ライブセッションのような作り方で、できてみないと何ができるか分からないんです。

 

鈴木:そこが面白いし、このイベントの強みでもありますね。

 

ーーーへ〜、その不確定要素も楽しみですね

 

鈴木:今の時点で決まってないけど話は出てる他の出演者もいるので、その辺りも期待して来てほしいですね。

 

ーーーでは最後に来場する方たちにメッセージを頂けますか?

 

鈴木:そうですね。普通のイベントとして楽しんでもらうのもいいんですけどね。ただ、僕たちは浜松を盛り上げたいし個性的なコンテンツを発信してるので、それがこの地域の色になって愛着を持ってもらえればと思っています。可能な範囲で行列対策もしますので!(笑)ぜひ、お気軽に来ていただけたらと思います。

 

ーーー今日はイベントへの想いも聞けましたし、あとは当日を楽しみたいと思います!ありがとうございました。

 

鈴木:ありがとうございました!

松島:ありがとうございました!

 

ご来場時の注意:白パンにコーヒーは目立つ

 

 

Hamamatsu Local Coffee Fes

開催日時:2019年11月24日(日) 9:30〜15:00

開催場所:浜松城公園中央芝生広場

料  金:4ticket ¥1,000(チケット制)

公式SNS:Hamamatsu Local Coffee Fesの公式twitter

主催/協賛:浜松PPP、タタズミcoffee、浜松城公園PDCAグループ

 

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